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教皇ら世界教会指導者がクリスマス・メッセージ

 【CJC=東京】教皇ヨハネ・パウロ二世は、着座以来27回目のクリスマスを迎え、の祈りの中で、対話と和解を呼びかけた。雨もよいの聖ピエトロ広場に集まった数万人の信徒、観光客を前に、教皇は特にイラク、聖地、アフリカの人々の受けている苦しみを指摘し、キリストの教えは、このような時に、いろいろな形で行使されている暴力を止めるのに役立つものだ、と述べた。教皇は、遅々としてはいるが期待を満たすような形で進行している和平への努力は、全力をあげて前に進めていかなければならない、とも語った。演説はトルコ、モロッコ、アルジェリア、インドネシアなどイスラム圏を含む72ヵ国に中継された。
 84歳と高齢で健康がすぐれないにもかかわらず、教皇は大聖堂で深夜ミサも執行した。教皇は、へブル語、アラブ語など62言語で伝統的な祝福「ローマおよびあまねく世界に」を与えた。
 世界教会協議会(WCC)のサミュエル・コビア総幹事は、クリスマス・メッセージで、暴力や抑圧を正当化するために宗教を利用することに警告を発した。
 「紛争が続いていても、恐怖、疑い、憎しみ、戦争があっても、それにもかかわらず、私たちは平和の望みを祝う。私たちの世界は迫害者から『異なる者』とされた人々は排除され、征服され、脅迫され、暴力を振るわれる文化に満ちている。それに従事する人達の多くが、自らを『神』の名のもとに自らを正当化しようとすることを警戒すべきだ」と言う。
 ルーテル世界連盟のマーク・S・ハンソン会長は、キリスト生誕の物語が「大量虐殺や環境破壊、分離壁、戦争している人々、搾取、支配などに脅え嘆く世界をも神はなお愛される」という希望のメッセージを含んでいる、と述べた。
 「ルーテル派共同体として私たちが差し出す贈り物は、至る所にいる人々のために希望の歌を歌うという私たちの新たな約束である。私たちはそれを渇いている人に水を、飢えている人に食べ物を、不正な扱いを受けている人に正義を、犠牲者には尊厳を、そして全ての被造物に希望を、救いのメッセージを変えることを通じてもたらすものとして歌う」と言う。
 世界改革教会連盟のセトリ・ニョミ総幹事は、「私たちの救世主誕生の祝いは、私たちの世界を変革することへの神の道具として新たなレベルへ私たちを奮い立たせる。それによってより多くの人が十全な生を経験する」ことを望む、と語った。□

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