教界ニュース

ニュースを友達にも教える

教会関係者から相次ぎ津波の破壊力報告

 スマトラ島沖地震・津波の膨大な被害状況が日に日に明らかにされていく中、被災した国々の教会関係者から届き始めた報告をバチカン放送が紹介している。
 スリランカ北部のジャフナ教区では、ミサ中の教会を津波が襲い、約300人の信者が亡くなったという。
 インド南東部タミール・ナドゥ州の有名な聖母巡礼地ヴァイランカニでも多数の巡礼者が犠牲となった。ハイデラバードのウルスラ・ピント修道女は、濁流は巡礼者で満員の巡礼聖堂にまで恐ろしい速さで押し寄せ、これまでに分かっただけでもおよそ2000人が死亡、今後犠牲者の数は3500人以上に上るだろうと語った。
 スリランカのコロンボで宣教しているミケーレ・カタラーノ神父(イエズス会)は、貧しい漁村の多いコロンボ付近の海岸地帯は広く壊滅し、目を被う惨状だと話した。特に子どもの犠牲者が多く、神父や欧米のボランティア学生らは、助かった子どもたちの泥を洗い、食べ物を与えているが、今後コレラなどの伝染病が心配だと語った。
 タイで宣教するグスタブ・ルーセン神父は、深いぬかるみのため到達不可能な地域が多いことを懸念する傍ら、自分にできる方法で互いに精一杯助け合うタイの人々の連帯の精神を伝えている。 聖公会系の救援団体『エピスコパル・リリーフ・アンド・デヴェロップメント』は緊急救援に乗り出すとともに財的支援を呼び掛けている。
 スリランカの首都コロンボのケネス・フェルナンド退職主教は、12月27日電子メールで『エピスコパル通信』に、「被災者のほとんどは海岸の小屋で生活する貧困者だ。彼らはすべてを失った。私たちの教会堂は臨時キャンプとして使用されている」と伝えてきた。同主教は、OXFAMと世界教会協議会(WCC)など様々な救援機関がスリランカで活動を始めたと言う。
 南インド教会からは、マディヤ・ケララ教区のトーマス・サミュエル主教が、正確な調査がまだ行われていないので災害の大きさも把握されておらず、南部インドの死亡者数は1万5000人には達しているとして「マディヤ・ケララ教区で最も打撃を受けたアラップザ地区とコラム地区では数千人が家を失い、行方不明者も多数に上っている。何が起こったかを知る前に、津波が襲い、全てを破壊し、そして流し去った。停電し給水設備も破壊された」と伝えている。
 チェンナイの教区のV・デヴァサハヤム主教は、マドラス南方のタミールナドゥが最大の被害を受けたとして「津波が来襲した時、漁に出ていた漁民のほとんどが命を落とした。発動機付きのボート2000隻、カタマラン型船2万隻が失われた。教区内の多くの教会が救援所を設立した」と伝えている。(世界キリスト教情報)

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2005/01/04