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スマトラ島沖地震:「津波被害、史上最悪」=教会の緊急援助始動

 【CJC=東京】国連のエグランド人道問題調整官は12月27日、スマトラ島沖地震と、それに伴う津波被害について「津波そのものの規模は最大ではないが、被害地域には多くの人が居住しており、被害は史上最悪になる可能性がある」と語り、「被害総額は数十億ドル規模になる」として、国際社会に積極的な援助を求めた。
 再保険最大手のミュンヘン再保険は28日、スマトラ島沖地震・津波による経済的な損害額は「少なくとも100億ユーロ(1兆4000億円)単位にのぼるのは避けられない」との見通しを示した。
 死傷者の総数を把握することもままならない状況で、なお数万人が行方不明とされる一方、世界保健機関(WHO)は感染症の蔓延で今後、津波被害者に匹敵する死者が出る恐れがある、としている。
 各国政府が救援隊を派遣したり、援助金支出を決定するなどの中、全世界の教会やキリスト教関係救援団体は、クリスマスと新年の休暇を返上、地震・津波被災者への援助に取り組んでいる。
 募金を始めた。仏教、ユダヤ教、イスラム教にも救援の動きが出ている。
 カトリック教会の援助組織『カリタス』もいち早く活動を開始したほか、現地の教区、イエズス会を始めとする修道会も支援協力に動き出した。聖公会、バプテスト、メソジスト、正教会、ペンテコステ派、長老派などがそれぞれ救援募金を始めた。仏教、ユダヤ教、イスラム教にも救援の動きが出ている。
 世界教会協議会(WCC)翼下の『教会一致行動』(ACT=アクション・バイ・チャーチズ・トゥゲザー)は、東南アと南アジアにいる活動家が津波被害の生存者への救援に全力を挙げている、実態を明らかにした。
 インドの正教会、プロテスタント各派で構成している『社会活動のための教会オーグジリアリ』は9500万ルピア(約2億3000万円)をインド南部とベンガル湾のアンダマン諸島、ニコバル諸島の被災者救援に振り向けることとした。
 バチカン(ローマ教皇庁)開発援助促進評議会は、インド、タイ、インドネシア、スリランカ、ソマリア等のバチカン大使館と連携して、現地に緊急援助のための専門要員と物資を提供した。今後も情報収集に努めながら具体的支援を広げる。
 キリスト教系救援団体『ワールド・ビジョン』はまずインドとスリランカに食糧を供給することにした。飲用水と薬品についても対応する予定で、さらに敷布、毛布、衣類、炊事道具なども配布する計画。
 世界福音同盟(WEA)は、各国の福音同盟と救援団体との連携を強化する手だてを進めている。緊急に実行しなければならないことは、遺体探索と身元確認、埋葬であり、発病を防ぐための清潔な水、食糧、薬品確保。今こそ、祈りそして適当な筋道を通して寛大に施す時だ、と言う。
 世界バプテスト連盟(BWA)は、インド洋沿岸諸国の津波被害救援を呼び掛けているが、世界のバプテスト系諸教会が早くも、呼び掛けに応じ資金を提供、さらに申し込みが続いている。
 スペイン、スウェーデン、ドイツ、カナダでは、教会へ特別な要請が行われることになった。(世界キリスト教情報)

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