【CJC=東京】米誌『タイム』最近号は、ローマ教皇庁当局者らの話として、次期ローマ教皇の有力候補に保守派のヨーゼフ・ラッツィンガー枢機卿(77=教理省長官、ドイツ出身)が浮上したと報じた。
同枢機卿は、男女の結婚に基づく家庭の重視、妊娠中絶や同性愛の否定など、教理面で保守的な現教皇ヨハネ・パウロ二世(84)の路線を支えてきたが、非妥協的な姿勢から、教会内で敵が多いといわれ、教皇候補と目されることは少なかった。
しかし『タイム』誌は、同枢機卿がこのところ現実的な姿勢も示し、昨年の米大統領選挙で争点の一つとなった中絶問題に関するカトリック教会の対応では、教皇庁の姿勢を堅持しながら米内政への関与を巧みに避ける手腕を見せ、評価された、としている。
他にドイニギ・テッタマンジ大司教(ミラノ)、カルディオ・フメエス大司教(サンパウロ)の名を『タイム』誌は上げている。□