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スマトラ沖大地震:被災児連れ去り人身売買の危険

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)生命アカデミー委員長に新任されたエリオ・スグレシア司教は、スマトラ沖大地震による津波被害を受けた東南アジア各地に起きている「子どもの人身売買」を糾弾した。
 1月3日のバチカン放送で同司教は、津波が多くの子どもを孤児にしてしまったとし、孤児を養子にしようとする動きがあるが、そこに金銭授受が伴うなら結果として人身売買になる、と指摘した。「人身売買は今回の津波の前から、また違法な養子縁組も世界各地で行われている」として、私たちの文明はこの不名誉を消し去らなければならない、と同司教は述べた。
 国連児童基金(ユニセフ)のキャロル・ベラミー事務局長も5日、インドネシアの被災地バンダアチェ市を訪れ、子供の人身売買が起きる可能性が高まっていると警告した。
 事務局長は、善意で被災した孤児を養子にしようという人がいるかもしれないとしながらも、「容易に犯罪要素が入り込む余地がある。性産業や『子供奴隷』として売られるのを防がなければならない」と語った。
 被災後2、3日の間に身寄りのない子供たちを親類と称する人たちが連れ去った例が同市内で多数目撃された。朝日新聞によると「子供が欲しかったら電話をください」という人身売買組織のものとみられる携帯電話メッセージが流されており、ユニセフ・マレーシア事務所の職員も受け取ったという。
 インドネシア政府も強い危機感を示し、被災地からの養子縁組は一切停止されている。□

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