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イラク北部でシリア典礼カトリック大司教を武装グループが拉致

 【CJC=東京】イラク北部モスルでシリア典礼カトリック教会のバジーレ・ジョルジュ・カスムウサ大司教(66)を武装グループが1月17日拉致した、とバチカン(ローマ教皇庁)のホアキン・ナバロ=バルス報道担当が明らかにした。同担当は「このテロ行為を断固として非難し、大司教の迅速で安全な解放を求める」との声明を発表した。
 カスムウサ大司教はイラク人で、99年に教皇ヨハネ・パウロ二世からモスル大司教に任命された。同教区の信徒は約3万5000人。
 バグダッドのカルデア典礼教会のエマニュエル三世はカトリック宣教専門通信『MISNA』に、大司教は17日午後5時ごろ、司牧訪問先の家庭から出て車に乗り込もうとした際、銃を持った集団の車のトランクに押し込まれ、連れ去られたということだが、犯人や動機に心当たりはないとして、「誘拐の情報をバチカンに送った。所在追跡と救出に全力をあげる」と語った。□

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)によると、イラク北部モスルで1月17日、武装グループに拉致されたシリア典礼カトリック教会のバジーレ・ジョルジュ・カスムウサ大司教(66)が18日朝、解放された。
 バチカンのホアキン・ナバロ=バルス報道担当は大司教解放後、「とても満足している。すぐに情報が伝えられた教皇は神に感謝した」と語った。また犯人側が20万米ドル(約2100万円)の身代金を要求したとの報道に、身代金は支払われていない」と否定した。
 モスル教区の司教代理テトゥルス・モセイ神父が18日朝、解放には20万米ドル(約2100万円)の身代金を要求する電話を受けたと伝えられた。教区内で必要な金額を集めており「18日中に武装グループへ渡せるかもしれない。早く解放してもらいたい」と語っていたところへ解放の報がもたらされたという。
 ナバロ=バルス担当は、大司教がキリスト者、イスラム教徒双方に受け入れられており、拉致には驚いた、と語っている。一方、モスルのカルデア典礼教区のパウロス・ファライ・ラッホ大司教は、拉致に宗教的な要因はないものと思う、と示唆した。解放にいたるまでの過程も、拉致の理由もなお明らかにされてはいない。□

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