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イスラエルと米ユダヤ人団体はWCCの投資引き上げを非難

 【エルサレム/ニューヨーク=ENI・CJC】世界教会協議会(WCC)の中央委員会が2月21日、パレスチナのイスラエル占領地区で事業を展開している多国籍企業から段階的、選択的に投資引き上げを計画した米長老教会(PCUSA)の行動を称賛し、不法な行動に抗議して「公正、透明、非暴力」な経済対策を検討するよう加盟347教会に促した。
 これに対しイスラエル政府と米国のユダヤ人団体双方が、WCCを批判した。「この決定に非常に困惑している。たな希望が生まれ、イスラエルがガザ地区から撤退し、ガザと西岸地区の一部から入植地を撤去することを決めた時に、このような一方的な決定が役に立ち建設的だとは思えない」と、イスラエル外務省のマーク・レゲヴ報道担当はENI通信に語った。
 WCCは、企業名を上げてはいないが、多国籍企業がパレスチナ人の住宅破壊、占領地区での入植地建設や論議を呼んだ分離壁建設に関わったと述べている。
 ブルドーザーをイスラエル軍隊に供給したとして米キャタピラー社をボイコットする動きもあった。同時に、パレスチナ側では、パレスチナ企業がイスラエル居留地造成のためにセメントなどの資材を販売したか調査が進められている。
 米ユダヤ人委員会のデビッド・ハリス委員長は「中東はここ数週間で根本的に変化した。スラエル人とパレスチナ人の双方に希望の感覚が生まれた。WCCの行動は、新たな和平プロセスを危うくし、イスラエルとの平和に反対するアラブ世界の利益に貢献するだけだ」と言う。
 米国に本拠を置く『反中傷連盟』は、WCCの声明を「イスラエル・パレスチナ紛争に関する一方的な解釈に基づいたもの」として、投資引き上げ方針は「新たに蘇っている平和への動きを阻害し有害だ」と言う。WCCの声明は「国際法の解釈というよりはむしろ『宗教的真実』の服に身を包まれ」たものであり、「投資引き上げは、イスラエルだけでなくパレスチナ人にも経済的打撃を与える」と主張している。
 ユダヤ人の権利擁護団体『サイモン・ウィーゼンタール・センター』は、投資引き上げ計画の中断を長老教会(PCUSA)に要請した。□

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