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WCC中央委が新世紀の新ビジョンを探究

 【CJC=東京】世界教会協議会(WCC)の意志決定機関『中央委員会』がジュネーブで2月15日から22日まで開かれた。委員約150人が参加した。今回は、世界を取り巻く危機への対応とともに、新たな世紀を迎えて新たなビジョンを形成する努力が主な議題となった。WCCは来年2月14〜23日にブラジルのポルトアレグレで第9回大会を開催するが、今回の中央委はそれに備えた最後のもの。
 サミュエル・コビア総幹事(ケニア出身、メソジスト派牧師)は、新世紀に向けてエキュメニカル(教会一致を目指す)なビジョンを再構築することが、「構造問題」だけではなく「変革の過程」でもある、と語った。その変革は「私たちの生命と万物の生命の根源である、私たちが共に告白する三位一体の神への回心に根差なければならない」と言う。
 新しいビジョンを形成することは、WCCの活動を、教会生活の新たな形、また変わり続ける世界により良く適応するよう能率化することを意味する。
 米合同メソジスト教会キリスト教一致・宗教間問題委員会のラリー・ピケンズ委員長は、中央委員会に参加して、「中央委はこの『再構築』の過程に深く関わって来た。その一部が『21世紀のエキュメニカル運動の最先端』でカトリック教会とペンテコステ運動の役割を確認したことだ」と言う。
 国際問題を検討する中で、中央委はイスラエル・パレスチナ紛争の平和的解決のための経済手段について議論した。そして加盟教会に「投資資金は、問題の平和的解決を支援するように責任をもって使われるべきだ」ということを想起させた。2004年に米長老教会(PCUSA)が「イスラエル占領地区で事業を展開している多国籍企業の中から段階的、選択的に投資を引き上げる」と計画したことが事例として上げられている。この投資引き上げ決定は激しい批判を呼んだ。特に米国のユダヤ人団体の反発は厳しかった。
 イラク危機について、中央委は「米国主導の多国籍軍の削減、撤退と軍事基地撤去の計画」に関する討議を提唱した。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2005/02/28