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小説『ダ・ヴィンチ・コード』にジェノバ大司教が反発

 【CJC=東京】CWニュースによると、米人作者ダン・ブラウンによるベストセラー小説『ダ・ヴィンチ・コード』を買わないようにタルチジオ・ベルトーネ枢機卿(ジェノバ大司教)が3月15日バチカン放送(ラジオ)で語り、イタリアの新聞やラジオも報じた。
 ジェノバ大司教区が同書に関するセミナーを開催するのを機会に訴えたもの。セミナーでは、『新宗教研究センター』の設立者マッシモ・イントロヴィネ所長が「この小説が基づいている偽りを暴露する」という。
 ベルトーネ枢機卿は、『ダ・ヴィンチ・コード』が世界各地でベストセラーになったのも、「Y2K」と呼ばれ「人類の全体の歴史で例外的ば衝撃」を与えた程の成功を収めた紀元2000年祝典を打ち消すために「偽りの城」を構築する戦略の一部だ、と指摘する。
 枢機卿は、カトリック系の図書館や学校さえ「全く並はずれた」宣伝に屈して、同書を購入しているのは残念だと言う。特に出版社側が「この本を読んでいないなら、あなたは成熟したキリスト者ではない」という見方を伝えようとしている、と注意した。教皇ヨハネ・パウロ二世が入院していた、ローマ市内のジェメッリ病院内の書店でも売っていたとして「残念なことだ」と述べた。
 『ダ・ヴィンチ・コード』は、キリストが結婚し、後継者は女性のはずだったが、後世の教会が男性優位に教義を書き換えたという説を軸に展開する。同枢機卿は、キリストとマグダラのマリアの間に子供がいたとしている部分などを特に問題視している。
 同書の「複数の錯誤」の一つに、聖書における、女性の影響の「除去」がある、と同枢機卿は言う。「新約聖書の成立の歴史と福音書の中での女性グループは、使徒とほぼ同等に見えることがある」とし、さらに枢機卿は史的事実としての「死の否定とイエスの復活」について言及した。そして、仏陀、モハメッドなど他の宗教指導者に関して同様の反真理をまき散らす本の刊行を社会が許容するかどうか、と疑問を投げ掛けた。□

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