【ロンドン=ENI・CJC】スコットランド聖公会では同性愛者が聖職者になることは禁止されないと宣言、世界聖公会共同体を揺るがす論争を加熱させることになった。同聖公会はさらに、同性愛主教を実現した米聖公会と、同性間の「結合」を祝福したカナダ聖公会の「隔離」を図る各聖公会指導者を批判した。
スコットランド聖公会主教会議は3月23日「スコットランド聖公会は、同性の会員同士が密接な関係に入ること自体が、聖務の実行に障害となる、と一度も見なしたことはない」とする声明を発表した。これまで主教が実践的な同性愛関係にある人を聖職に任命したか言及してはいないが、「状況によって」聖職者が同性愛関係にある人々を祝福したことは認めている。
聖公会共同体内での同性愛問題をめぐる論争に関して昨年出された『ウィンザー・レポート』と、2月に招集された各聖公会首座主教会議の結論へスコットランド聖公会主教が応答したもの。
声明は「私たちは教会として、同性愛(レスビアンとゲイ)指向の人々の存在が大きくなっていることと、性への態度としては、その人たちの神学や立脚点が、結婚以外の禁欲ということ以上に重要だと意識している。私たちは双方を歓迎する」と述べている。
スコットランド聖公会のローナ・フィンリー報道担当は、主教が同性愛者の聖職任命問題で方針を表したはこれが初めてだ、と言う。
『レスビアンとゲイ・キリスト者運動』のリチャード・カーカー総幹事は、同性愛問題がスコットランドでは何年間も「公開」されていた、として「共同体の他の聖公会は、スコットランドの例に注目し、教会が“包括性”を実践しつつ一致しているという事実に慰めを求めるべきだ」と語った。□