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教皇葬儀は史上最大規模に、各国首脳らも参列

 【CJC=東京】4月2日に84歳の生涯を閉じた第264代ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の葬儀ミサが4月8日午前10時から、バチカン市国内のサンピエトロ広場で行われた。広場に入れなかった信徒ら一般市民も含めると約200万人が葬儀に詰めかけたとの報道もある。イタリア内外から葬儀のため約400万人がローマを訪れたと推定されている。
 約160の国・地域の元首や首脳、王族、宗教指導者ら約4500人始め、約30万人の信徒も参列する史上最大規模の葬儀となった。現職の大統領、首相らの席は祭壇前に用意された。席順はイタリア、ポーランドを除いてフランス語の国名に基づき、バチカンとの外交関係の長さなどを考慮して決められた。
 最前列にイタリアのチャンピ大統領、ポーランドのクワシニエフスキ大統領ら。後方にはブッシュ米大統領やブレア英首相、シュレーダー独首相、アサド・シリア大統領、ハタミ・イラン大統領、カツァブ・イスラエル大統領、アナン国連事務総長ら世界の要人約200人が顔をそろえた。
 台湾の陳水扁総統が招待されたことに反発し、中国は代表派遣を見合わせた。日本は首脳・閣僚を送らず、川口順子首相補佐官(前外相)が特使を務めた。
 カトリック教会の高位聖職者の他、教皇が和解を目指した東方正教会からはコンスタンチノープルのエキュメニカル総主教バルトロメオス一世、英国国教会(聖公会)の最高指導者ウイリアムズ・カンタベリー大主教などキリスト教各派やユダヤ教などの指導者らも参列した。
 教理省長官のヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿が葬儀ミサを行った。同枢機卿は「今日、我々は教皇の遺骸を永遠の種として埋葬する。我々の心は悲しみで一杯だが、同時に希望への喜びと深い感謝で満ち溢れている」と述べた。
 ミサは主にラテン語とイタリア語で行われたが、祈祷は仏、スワヒリ、ポーランド、独、ポルトガル、フィリピン語でも述べられた。聖書は英語とスペイン語で読み上げられた。
 約3時間に及ぶミサの模様は信徒らで埋め尽くされたサンピエトロ広場や目抜き通りに特設された巨大スクリーンに映し出された。米CNN、英BBCなどがイスラム諸国を含め全世界に生中継した。
 教皇の祖国ポーランドからの参列者をはじめとする数千人が教皇を直ちに列聖するよう求め、一部は、ポーランド国旗と「直ちに聖人に」と書かれた横断幕を掲げ、約7分間にわたって「聖人に、聖人に」と叫び続け、ミサが一時中断した。
 ミサは約2時間45分で終了。遺体は歴代教皇が眠るサンピエトロ大聖堂の地下に埋葬された。□

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