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次期教皇選出へコンクラーベ始まる

 【CJC=東京】次期ローマ教皇を決めるための選挙(コンクラーベ)が4月18日、バチカン(ローマ教皇庁)のシスチナ礼拝堂で始まった。
 故ヨハネ・パウロ二世の選出は同教皇がポーランド出身ということで、400年以上にわたるイタリア人教皇の「系譜」が途切れたことから、その復活の可能性に注目が集まっている。
 投票資格のある有権枢機卿117人のうち健康上の理由で欠席する2人を除く115人の中から新教皇が選ばれるのが慣例。これらの枢機卿の出身国は5大陸52カ国にのぼる。
 枢機卿は、選挙開始前日の17日午後から、指定の宿泊所『ドムス・サンクタエ・マルタエ』へ移動した。各枢機卿への部屋の割りあては、14日の枢機卿全体会議上の抽選で決められた。
 コンクラーベ中、枢機卿らは宿泊所と選挙会場シスチナ礼拝堂間を徒歩、またはバスで移動する。サンピエトロ大聖堂の後陣の裏側を通るこの移動コース区間は、関係者以外すべて立ち入り禁止となる。また大聖堂のクーポラや主要な中庭の一つ「サン・ダマソの中庭」はこの間閉鎖される。ただし故教皇ヨハネ・パウロ二世の墓は、大聖堂地下の公開時間内なら訪問は可能。
 投票は午前2回、午後2回行われ、投票用紙は正午と午後7時にシスチナ礼拝堂に設置されたストーブで焼却され、黒い煙が煙突から立ち上る。ただ午前、午後1回目の投票で新教皇が選出された場合は、白い煙の合図とともに、サンピエトロ聖堂の鐘を鳴らして知らされる。
 教皇選出には出席有権者の総数の3分の2の票が必要。3日間の投票で選出が行われない場合は、1日間、投票を行わずに考察と祈りを行い、その後7回投票を行い、決まらなければもう1回選挙を中断、さらに7回投票を行い、決まらなければ1回選挙を中断して、また7回投票を行う。
 それでも決まらない場合は、過半数の意見に従ってその後の手続きを決定する。すなわち、過半数の得票をもって有効とする投票か、上位2人の候補についての投票かを決める。
 バチカンのナヴァロ=ヴァルス広報担当は、枢機卿会議で特定の枢機卿の名が挙げられたことは一度もなかったと述べた。
 教皇逝去後、葬儀当日と日曜日を除いて、毎日開催されてきた枢機卿全体会議は、16日の第12回会議で終了した。ローマに到着する枢機卿の数は日を追うごとに増え、最終日は183人の全枢機卿のうち143人が出席、病気や高齢のため出席できなかった枢機卿たちからのメッセージが席上で紹介された。
 『カメルレンゴ』(教皇の死後、教皇庁の権利、財産などを管理する枢機卿)のマルティネス・ソマロ枢機卿が、教皇空位期間と教皇選挙の規則を記した使徒憲章『ウニベルシ・ドミニチ・グレジス』に従い、故教皇の指輪と印章を無効にした。
 バチカン放送によると、この指輪は「漁夫の指輪」と呼ばれ、伝統的に網を引くペトロの姿と教皇の名が刻まれている。一方、印章は鉛製。共に使徒的書簡などの発布の際に捺印するためのもので、教皇の権威を象徴する。教皇の死後、カメルレンゴはこれらを壊し無効にする手続きをしなければならない。□

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