教界ニュース

ニュースを友達にも教える

WCCのコビア総幹事が教皇ベネディクト16世と会見へ

 【ジュネーブ=ENI・CJC】世界教会協議会(WCC)のサミュエル・コビア総幹事が5月10日、新教皇ベネディクト16世と会見する、と発表した。アテネで開催してWCCの会議の中で明らかにしたもの。6月12日から14日までバチカン(ローマ教皇庁)を訪問すると言う。
 コビア氏は、WCCが宣教問題を含めて、カトリック教会と協働することに「非常に前向き」だとして「カトリック教会がWCCの信仰職制委員会の正会員であり教会一致に関する作業」でも協力している、と指摘した。
 教皇ベネディクト16世は1970年代前半にはドイツで神学者として知られていたが、信仰職制委員だった。ただ教皇になる前、2000年にヨーゼフ・ラッツィンガー枢機卿が教理省長官として発表した教理省宣言『ドミヌス・イエスス=イエス・キリストと教会の唯一性と救いの普遍性について』には他派指導者から広く批判を浴びた。プロテスタント各派を「適切な意味で『教会』ではない」とするカトリック信仰を再確認したため。ラッツィンガー枢機卿は当時、バチカンの「神学監視主任」と見られていた。
 しかし4月24日に教皇選出後の演説で、ベネディクト16世は「エキュメニズムの根本的な要因促進のために全力をつくしたい」と語った。さらにベネディクト16世は、教皇着座式典に出席した各派代表に、キリスト者の一致を推進することへのカトリック教会の関わりは「元に戻せない」と述べている。そして教皇は、『ドミヌス・イエスス』を強く批判したフランス改革教会の会合に挨拶を送った。
 教皇選出の対抗馬と見られていたマリア・マルティニ枢機卿(前ミラノ大司教)は「ベネディクト16世が私たちを驚かすことになると確信する」と指摘している。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2005/05/17