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キリスト教の重心はサハラ砂漠に、とWCC総幹事

 【アテネ=ENI・CJC】世界教会協議会(WCC)のサミュエル・コビア総幹事は5月10日、キリスト教の重心が北半球から南半球に移るという局面に際会して、宣教論を再考すべきだ、と加盟教会に訴えた。「ヨーロッパ文化から発したキリスト教信仰の表出形態はもはや規範とはならない」と、同総幹事はアテネで開かれたWCC主催の『世界宣教会議』の参加者約500人に指摘したもの。
 「私たちは宣教地理に関する前提を再考することが求められている」として、同総幹事は「キリスト教人口の地理的重心」が南に移動していることを指摘した。「1世紀の中頃には、この重心はエルサレムかその近くにあった。その後はヨーロッパに移動し、長らくそこに止まっていたしかし、統計学の専門家は現在、重心はサハラ砂漠南部、マリ共和国のトンブクトゥ付近にあると推定しており、なお南に向かっている」とコビア氏は語った。
 アフリカはキリスト教の急成長地域の一つ。研究者は2100年までには、キリスト者の8割近くがアフリカ、アジア、ラテンアメリカ(中南米)、オセアニア(大洋州)に住んでいる、と予測する。
 コビア氏は、世界中でペンテコステ派とカリスマ派の急成長に注目している。「私たちが予期していない方向からの宣教、霊の賜物を受けた兄弟姉妹によって担われたもので、欧米の宣教師に独占されなかった宣教を受け入れているか」と会議参加者に質した。
 東方正教会に属すキリスト者が多数を占める国でこのような会議が開催されるのは初めて。コビア氏は、東方と西方のキリスト者の間の「新たな一致感」を強調した。
 WCCは加盟教会347、主にプロテスタント、聖公会、東方正教会で構成されている。
 『世界宣教会議』の歴史は1910年にまでさかのぼる。今回のアテネ会議には、WCC非加盟の福音派、ペンテコステ派、カトリックからも代表が参加している。□

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