教界ニュース

ニュースを友達にも教える

スペイン首相が同性愛結婚への教会抗議に反論

 【CJC=東京】スペインで同性愛カップルに婚姻と養子縁組を認める法案が成立したが、大きな影響力を持つカトリック教会は、司教会議が、すべてのカトリック教徒に、新法施行に抵抗するよう呼びかけ、同法が成立しても「良心的不服従」を呼びかけており、反対の姿勢を強めている。それに応じ同国北部バリャドリードの市長は4月末、「法案が成立しても良心的不服従を行使し、同性愛者の婚姻手続きは受理しない」と述べた。保守派の国民党に所属する他の市長も相次いで不受理を宣言している。
 ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は5月11日、施政方針で新法を擁護した。
 ザパテロ首相は姿勢を演説で、「私たちの隣人、友人、親類、同僚に対しての保護、理解、愛情をあまりに根本的に否定して置きながら、人生の基礎として愛を説く人を理解できない。異なった方法で自分たちの性を経験するものを除外するとはどういう愛なのか」と述べた。
 カトリック教会は、スペインでは伝統的に強力な存在。同性愛者間の結婚は家族の概念を危うくし、社会に害を及ぼす、としているが政府は、教会結婚ではなく、民事婚に影響する判断は司教に委ねられていない、と言う。
 欧州では、オランダが同性愛カップルに婚姻と養子を迎えて育てることを認めている。だがバチカン(ローマ教皇庁)高官は「道徳に対する暴力だ」と厳しく批判、「たとえ公務員でも、キリスト者ならば良心的不服従を行使するように」と呼びかけている。
 『エルムンド』紙は11日、司教会議筋の情報として、教会が国王ホァン・カルロス一世に、署名を避けるため一時退位することによって同法への反対を示すことを望んでいる、と報じた。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2005/05/23