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ドイツで在宅教育に固執するキリスト者の親に禁固刑

 【パーデルボルン(独)=IDEA・CJC】ドイツのノルトライン・ウェストファーレン州パーデルボルン地区教育委員会は、子どもを公立学校に入れず自宅で自主教育を行っている親に、公立学校入学を強制している。
 パーデルボルン地裁はこのほど在宅教育を行っているバプテストの夫妻に禁固10日の判決を下した。夫妻は、子どもを公共学校に入れないことに日本円で7万円相当の罰金を科せられたが、支払いを拒否したため。
 ロシアでドイツ系市民として居住していた夫妻はドイツに移住して来た。しかしドイツ公教育における性教育と宗教教育に不満だった。
 ノルトライン・ウェストファーレン州だけ見ても、26組の親が、延べ42人の子どもを自宅で教育したことから訴訟になっている。
 バプテストなど福音派の認可私立学校設立の準備も進められている。
 家庭で学校教育を代行する在宅教育はドイツでは違法。信仰や良心の理由でも認められない。それにも関わらず、キリスト者やイスラム教徒の親の中にはあえて子どもを自宅で教育する例が、全ドイツで500人以上に達している。
 公教育厳守という点では、欧州諸国の中で、ドイツは再右翼。仏、英、伊、スイス、オーストリアの各国も公教育を義務化しているものの、親に教育の形を選ぶ余地を残している。
 ドイツの在宅教育推進派は、公教育の強制は親の権利の侵害と主張する。ストラスブールの欧州人権法廷への提訴も視野に入っている。□

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