【ローマ=ENI・CJC】世界教会協議会(WCC)のサミュエル・コビア総幹事は、同協議会のバチカン(ローマ教皇庁)訪問団の代表として、6月16日、教皇ベネディクト十六世と会見した。同総幹事は会談後、欧州でのキリスト教衰退とアフリカでの成長などの問題に取り組むためカトリック教会と共働したい、と語った。
「私たちは、価値が変わり、不確かな希望と関わりが崩壊してゆくという混乱した人類の状況のただ中で、明確な倫理の安定した場所を共に探求すべきだ」と、同総幹事は事前に用意された声明の中で指摘している。
記者会見でコビア総幹事は、WCCが、緊張がこのところ高まっているバチカンと正教会との関係改善に貢献出来れば、と語った。「WCCは、求められれば、正教会とローマ・カトリック教会の関係強化、深化に協力する用意がある」という。
東方正教会としては、伝統的に自らの領域としている地域、特にロシア始め旧ソ連地域でカトリック教会が「改宗」していることを問題視し、カトリック教会を非難して来た。
WCCに、ローマ・カトリック教会は加盟していないが、正教会はプロテスタント諸教会とともにWCCを構成している。□