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前教皇ヨハネ・パウロ二世の列福調査が正式開始

 【CJC=東京】カトリック教会ローマ教区は6月28日、同教区で死去した教皇ヨハネ・パウロ二世を「福者」として認定するための列福調査を正式に開始した。福者は、聖人の一歩手前の段階で、通常、調査は死後5年たってから始められるが、教皇ベネディクト十六世が5月に手続きを直ちに始めると発表していた。
 同日夕、ローマのサンジョバンニ・イン・ラテラーノ大聖堂で「使徒聖ペトロ・聖パウロの大祝日」の第一晩課の中、ローマ教区司教代理カミッロ・ルイーニ枢機卿はじめとする多くの教会関係者と信徒の祈りと共に、調査の開始が告げられた。審査担当者らは秘密を守り、贈答品などを受け取らないことを宣誓した。
 調査は、ヨハネ・パウロ二世についての記録や証言、全著作、音声、映像のほか、同教皇が起こしたとされる「奇跡」についても詳しく調査、バチカン(ローマ教皇庁)に提出することになる。
 「奇跡」に関しては、電子メールでも募集を始めた。「いますぐ聖人に」という信者らからの要望や、奇跡に関する証言が連日、世界中から80〜100通も届いている。「バイク事故で危篤状態だった少年が、『ヨハネ・パウロ二世に祈りましょう』と神父が呼びかけたところ、意識を回復した」とか、故教皇が2002年に脳腫瘍(しゅよう)の米国人の頭に触れた後、病気が治ったとの話、のどの病気を治してもらったというイタリアの枢機卿の告白など、いくつかの事例が寄せられている。今後、さらに故教皇の全著作や私的文書も含めた書類などを調査し、関係者の証言を集める。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2005/07/04