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進化論めぐりバチカン天文台長が枢機卿と衝突

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)天文台長のジョージ・コイン神父(イエズス会士)は、ウイーンのクリストフ・シェンブルン枢機卿が提唱した進化論に関する見解に困惑している。
 英カトリック週刊誌『タブレット』で、同神父は、シェンブルン枢機卿がダーウィンの進化論はキリスト教信仰とは相いれないと語ったことは、信仰と科学に関する論議の中で「事態を暗くした」と指摘している。
 シェンブルン枢機卿はこの7月、『ニューヨーク・タイムズ』紙のコラムで、教会は進化論の一部を受け入れるが、人間の生命が「偶然変化と自然淘汰という非誘導的、無計画的な過程」から発生したという概念は、神が人間の生命を創造したという信仰と矛盾する、との見解を明らかにして、反響を呼んだ。
 コイン神父は『タブレット』誌で、キリスト者は生命が「無作為の遺伝子突然変異と自然淘汰の過程で発生した」という信念を保持しつつ神の摂理を認識できる、と枢機卿の見解に反論した。
 コイン神父はアリゾナ大学で天文学を教える一方、バチカン天文台の責任者を務める。天文台はローマ郊外カステルガンドルフォの教皇の避暑別荘に置かれている。
 枢機卿は神学者として知られ、『カトリック教会のカテキズム』起草委員会の議長を務めた。□

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