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『核大国』インドで教会指導者、「ノーモア」誓う

 【ニューデリー=ENI・CJC】60年前、戦争行為として日本に最初の原子爆弾が投下された。その時を覚えてインドの教会指導者は、世界の2番目の大国であるインドが所有する核兵器増強反対を誓っている。
 長崎被爆記念日の8月8日、インド教会協議会がニューデリーで反核集会を開催した。南アジアに出現した『核の巨人』に焦点を合わせたもの。
 「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ポクラン(インドの核兵器実験場所)」と参加者は、誓った。
 「(核)爆弾反対を止めることは、平和のための働きを中止することだ」と、モナディープ・ダニエル氏(北インド教会の『デリー・ブラザフッド協会』牧師)は言う。
 ダニエル氏は集会での演説で「状況が悪いように見えても、私たちの信仰は、人類発展の代償に死と破壊をもたらすだけの爆弾に反対することを求めている」と語った。
 著名な反核活動家、デリーの『ジャワハルラル・ネール大学』のカマル・ミトラ・チェノイ教授は、核計画に人々の支援を得るために宗教を誤用している、と政府を非難した。
 インド政府は1974年の最初の核爆発に使用した記号が「仏陀は微笑む」だった。その後、政府が99年に第2回の核爆発に同意したとき、今度は「仏陀は再び微笑む」と呼ばれた、とチェノイ氏は言う。
 「これは明らかに宗教を悪用したものだ。核爆発は仏陀と何らかの関係があるか」とチェノイ氏は言う。
 インドには5億人の貧困層がいるが、核爆弾1個を作る費用でそのうちの10万家族を10年間養える、核武装した「南アジアの隣人」インドとパキスタンは、インド亜大陸で人間開発の費用で「国家主義的なエゴをふくらませる」ために核プログラムを追求している、と同氏は指摘する。
 英国から参加した『教会宣教協会』のアリステア・ウィルソン氏は、会議後に「本当に勇気づけられた」と語った。強力な反核運動が西側にあるものの、核兵器への抗議が「開発途上地域で、成長していること」が喜ばしいと言う。
 パキスタンから平和主義者約50人がニューデリーで行われた終日の座り込みに合流、南アジアの核廃絶をインドとパキスタン両国に訴えた。
 集会で出された声明では、98年に両国が行った核実験で軍備競争が加速され、南アジアを「兵器を蓄える最悪の拠点の一つ」にした、と指摘している。それは南アジアを「暴力や戦争に弱いだけでなく、逆に開発にも影響を与える」地域にしている、と言う。□

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