【ワルシャワ=ENI・CJC】オーストリアのカトリック教会は、私生児の父となった司祭が小教区の司牧再開を許可したが、これは個別の問題で司祭独身制を修正したものではない、と態度を明らかにした。
チロル地方のインスブルック教区のクリストフ・フリッシュマン神父は2年間休職していたが、子どもの経済、教育面での支援を誓約したので、9月1日から小教区(教会)3カ所を担当することになった。
司教会議のエリッヒ・ライテンベルガー報道担当は「フリッシュマン神父が聖職者としての独身生活を送る、と司教に誓約することが必要で、それがなされれば司牧に復帰可能だ。しかし、聖職者独身制に関して言えば、これは純粋に個人的な処置で、教会全体の事情に何ら影響を与えるものではない」と語った。子どもと母親は近くに住んでいるが、司祭館に同居はしない。
ライテンベルガー氏は、「これは全く教会の規律問題で、決定は地元司教により行われ、バチカン(ローマ教皇庁)には照会されなかった」と言う。オーストリア教会は総人口810万人の78%が信徒。
カトリック教会では、ラテン典礼の聖職者は独身を要求されるが、聖公会(英国国教会)から改宗した既婚聖職者が数百人いる。
またスイス改革派教会のパトリック・バラン牧師は子どもが4人いるが、カトリックに改宗し、6月26日ベルギーで司祭に叙階された。
インスブルック教区の決定がオーストリアのカトリック聖職者不足を反映したものではないか、という質問をライテンベルガー氏は否定している。□