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『ダ・ヴィンチ・コード』撮影に英教会の対応さまざま

 【CJC=東京】世界的ベストセラーとなったダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』の映画化に際し、撮影場所として使わせてほしい、との製作者側の申し出に、英国の教会の反応が分かれた。同著は、イエスがマグダラのマリアとの間に子どもを作った、と描写したことで、カトリック教会から強硬な抗議を受けている。
 イングランド中部リンカンの大聖堂は好意的。会堂を撮影現場に使用する許可を与えた。しかしその決定に反対して8月15日から大聖堂外で徹夜の祈祷を1人で行っていた女性は「誰であれ信者にして見れば、冒とく的なことが行われている」と言う。ただ自らをメアリ・マイケル修道女と名乗る女性が本物の修道女かどうか疑問というおまけもついた。
 急坂の頂上に位置する大聖堂は黄白色で石造り。それが足場や巨大なライトが設置されて映画のセットとなった。
 ロン・ハワード監督のもと、主人公のロバート・ラングドン教授役を演じるトム・ハンクスらが6日に大聖堂で撮影している時にもリンカンでは不満の声が聞かれた。
 同大聖堂のアレク・ナイト司祭は、小説が「こじつけで異端だ」とは認めるものの、撮影許可を間違いではないとしている。同大聖堂は、ウエストミンスター寺院に提示された額の倍の10万ポンド(約1900万円)を受け取った、と言われる。「市民の想像をかき立てたことは確かだ。あきらめて、無視されるよりは、議論してもらう必要が教会にはある」として、ナイト司祭は寄付を受けたことを明らかにしたが、金額には触れなかった。製作者のソニー・ピクチュアズもコメントを避けている。
 映画のクライマックスに登場するウエストミンスター寺院は、今年初め製作者からの撮影許可申請を「不適当」と却下した。「おもしろい本だからと言って、宗教的歴史的に問題があり理不尽な内容で、キリスト教や新約聖書については特に問題のあるものを推奨できない」という趣旨の声明が出されている。
 イングランド南部ウインチェスター大聖堂やエジンバラ近郊のロスリン教会などは撮影歓迎の姿勢。話題になれば観光客が殺到する、との読みのようだ。□

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