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エルサレム総主教叙任にイスラエル困惑

 【エルサレム=ENI・CJC】ギリシャ正教会が聖地エルサレムのイリネオス総主教の後任にセオフィロス三世を11月22日叙任した。正教会主教は8月22日、聖教会会議の渉外担当、ガリラヤ・タボルのテオフィロス府主教(ギリシャ・メッシニ出身)を第140代聖地総主教に選出している。
 教会所有の土地を国粋主義的なユダヤ人団体に関係があるとされる投資家へ販売、賃貸したとするスキャンダルに見舞われていた前任のイリネオス総主教は『エルサレム・ポスト』紙とのインタビューで、解任を無効と主張している。
 ギリシャのカロロス・パプーリアス大統領は、セオフィロス三世の叙任を、教会にとって「新しい始まり」だとして歓迎した。エルサレムの聖墳墓教会で行われた即位式には聖職者、信徒数百人がギリシャやキプロスの旗を振りながら参列、黒衣の聖職者に囲まれたセオフィロス三世に「あなたはふさわしい」と声援を送った。
 セオフィロス三世は総大司教職が「不正と詐欺の海から立ち上がる」ことを約束する演説を行った。
 聖地総主教座の不動産取引は、長らくイスラエル人に教会資産を売却することに反対して来た正教会共同体の感情をさかなですることになった。総主教座はエルサレムで「最大の地主」ではあるが、高額の負債があり、セオフィロス三世は教会の威信と共に財政を再建するという難題に直面することになる。
 イスラエル政府は、今回の任命は、教会内部の権力闘争によるものだとして、承認を控えている。何世紀にも及ぶ伝統の下で、新任のエルサレム総主教は聖地(現在ではイスラエル)、パレスチナ当局、ヨルダンの支配者の承認が必要とされている。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2005-11-28T23:52:09+09:00