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ブッシュ米大統領の中国訪問で「宗教の自由」に新段階か

 【CJC=東京】ジョージ・W・ブッシュ大統領は11月19日から21日まで中国を訪問した際、中国が宗教の自由を認めるよう発言、それは米国内に強まる逆風を意識してのものと受け取られていたが、バチカン(ローマ教皇庁)と北京政府との間の外交活動を加速させることにはなったようだ。
 ブッシュ大統領は20日の日曜日には北京市内のプロテスタント教会『缸瓦市堂』で礼拝を守り、その後、「社会的、政治的、また宗教の自由が中国で成長する」ことが重要だと胡錦涛国家主席に語った。大統領はまた、宗教の自由について議論するためバチカン代表を招くべきだとも示唆した。21日に、バチカンに最近赴任したフランシス・ルーニー米国大使は、中国で宗教の自由を進展させるためのバチカンの努力を支持することが優先任務だ、と語っている。
 この数カ月、バチカンと中国の間には関係改善の兆候が見られる。中国は、司教をバチカンが任命することは内政干渉だ、と反発していたが、4月以来、バチカンが任命した司教を中国政府は認めている。
 また中国はバチカンが台湾と断交するまで、外交関係は再開できない、としている。バチカンは公式に台湾を承認している25国の一つ。しかしバチカン国務長官のアンジェロ・ソダーノ枢機卿は、中国がキリスト者に完全な宗教の自由を保証し、バチカンを「公正に」扱うなら、外交使節を台北から北京に「すぐに」動かす用意がある、と語っている。枢機卿はまた、正式な国交樹立を目指して中国代表と最近「会話」があったことを認めた。このほどバチカン高位聖職者が台湾を訪問したことも、新事態の到来を予測させるものとなった。
 しかし、ローマでのシノドス(世界司教会議)に招かれた司教4人への査証発行や、『神の愛の宣教者会』の活動認可を撤回したり、地下教会への抑圧を継続するなど緊張は残っている。「中国は宗教の自由をまだ恐れている」と、地下教会の司教はカトリック系通信『アジア・ニュース』に語った。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2005-11-28T23:57:08+09:00