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中国・西安で校舎の解体阻止した修道女が暴行受ける

 【CJC=東京】中国・陜西省西安で公認カトリック教会『南堂』に隣接した学校が市当局により売却されたのに抗議して、『フランシスコ聖心宣教会』の修道女がろう城していたが、11月23日夜、暴漢グループにこん棒などで襲われ16人が負傷、少なくとも5人が病院に収容された。チェン・ジン修道女(34)は襲撃で視覚障害になり、片目を失明した。また他の1人は背骨を損傷し、手術が必要という。腕部骨折が1人、また2人が頭部に外傷を受けている。
 西安教区の信徒ら数百人は27日、同市内で抗議デモを行った。
 学校は元来教会所有で、『フランシスコ聖心宣教会』が運営していた。共産党政権下に接収され、1950〜60年代には共産党が学校を管理した。80年代に入って、経済改革の一環として資産返還が始まったが、西安当局は小学校のために返還を拒否していた。しかしその後、市側は学校を閉鎖、土地をデベロッパーに売却する準備を始めていた。
 暴漢グループと地方政府や入手した企業との関係は不明だが、目撃者は、駆け付けた警察が修道女を叱責し、襲撃した男性を逮捕しなかったと言う。また当局が土地紛争を解決するため襲撃を黙認している、とも伝えられる。
 中国の都市部で、再開発がらみの土地問題は各地で見られるが、中華愛国天主教会(カトリック)西安教区が運営している『フランシスコ聖心宣教会』の修道女が巻き込まれたことが注目される。
 政府は、襲撃に関するニュースを報じないよう求め、国営メディアはそれに応じている。ただ公認カトリック教会の神学校が運営するインターネット・サイトが事件を報じ、読者から怒りのメッセージが寄せられていたが、サイト管理者は事件関連の全メッセージを消去するよう指示された、という。
 バチカン(ローマ教皇庁)は11月30日、襲撃に「遺憾で承服できない」とする声明を発表した。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2005-12-05T22:15:43+09:00