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ゴスペルが誕生したシカゴの教会焼失

 【CJC=東京】1930年代にゴスペル音楽誕生の場となり、「ゴスペルの殿堂」として知られたシカゴ・サウスサイド地区の『ピルグリム・バプテスト教会』が1月6日、原因不明の出火で全焼した。会堂屋根の修復工事中だった。消防士2人が目などに軽傷を負った。
 1890年代に建てられ、1932年から70年代にかけ音楽監督を務め、「ゴスペルの父」と呼ばれたトマス・A・ドーシーが30年代にこの教会で初めて、ゴスペル合唱隊を組織した。これがゴスペルの発展に大きな役割を果たした。ドーシー作曲の「テイク・マイ・ハンド、プレシャス・ロード」はマヘリア・ジャクソンが歌って大ヒットとなり、市民権運動の闘士マーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の愛唱歌になった。火災でドーシー自筆の楽譜など、貴重な資料も焼けた。
 同教会ではマヘリア・ジャクソンの他、アレサ・フランクリン、サリー・マーチン、ジェームス・クリーブランドら大物歌手も歌ったことがある。
 教会はルイス・サリヴァン事務所の設計で1890年にシナゴーグ(ユダヤ教会堂)として建てられ、1920年代にキリスト教会に衣替えした。現在会員は300人ほどだが、40年代には1万人を数え、「典型的な黒人メガチャーチ」だった。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-01-09T19:23:29+09:00