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故キング牧師夫人コレッタさん死去

 【CJC=東京】米公民権運動の推進者として知られた故マーティン・ルーサー・キング牧師の夫人コレッタ・スコット・キングさんが1月30日夜、メキシコの病院で老衰により死去した。78歳。昨年夏に脳梗塞(こうそく)と心不全と診断されていた。
 コレッタさんの死去にジョージ・ブッシュ大統領、アーノルド・シュワルツネッガー・カリフォルニア州知事らは相次ぎ、コレッタさんの市民権運動への関わりを称賛する声明を発表している。
 ジョージア州では公共施設が半旗を掲揚、ソニー・パーデュー知事はコレッタさんの遺体を州議会議事堂に置くことを申し出ている。葬儀の日取りは未定。
 コレッタさんは、故キング牧師と共に公民権運動を推進したほかに、女性、農民の権利、エイズ問題、非核武装、貧困廃絶などにも貢献した。1985年には南アのアパルトヘイト(人種隔離)政策に反対、ワシントンの南ア大使館前で抗議デモを行い逮捕されたことがある。
 キング牧師の死後は、夫の遺志を継ぎ、教皇ヨハネ・パウロ二世、ダライ・ラマ、ジミー・カーター元大統領、南アのネルソン・マンデラ元大統領などの指導者と相次ぎ会談した。
 コレッタ夫人が残したものは「とにかくあきらめない」こと、と語るのは友人でサンフランシスコの市民権運動家セシル・ウイリアムズ牧師。夫のキング牧師が手を着けなかった、同性愛者の権利などの分野でも働いた、と言う。
 コレッタさんは1927年4月27日、アラバマ州マリオンの自作農の家庭に生まれた。人種差別の最も激しい扱いは自身で受けなかったものの、成長する中で強く意識するようになった、と言う。公民権運動に関わるようになったのは、オハイオ州アンテーアク大学で音楽を学んでいた時のこと、その後ボストンの音楽院で学んでいた際に、ボストン大学大学院博士課程にいたキング牧師と出会った。
 68年、メンフィスのモーテルでキング牧師が狙撃された時、コレッタ夫人は夫の活動を引き継ぐ意思を固めたという。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-02-07T02:21:29+09:00