【オスロ＝ＥＮＩ・ＣＪＣ】ノルウェー教会（ルーテル派）のオラフ・フィクセ・トゥヴェイ教会一致・国際関係担当総幹事は１月３１日、イスラム教の教祖ムハンマド（マホメッド）を冒涜した漫画を掲載した『マガジネット』を非難した。「教会も指導者も同誌発行を認めるべきではない。イスラム教徒とその宗教心を冒涜する以外の何物でもない」と言う。
　漫画は初め昨年９月にデンマークの大衆紙『ジランド・ポステン』に掲載された。ただノルウエーでは今年に入って福音派系紙『マガジネット』が再掲載したことから論議が始まった。
　トゥヴェイ氏は「今回の問題を国際メディアが刺激的に取り扱ったことで、ノルウェーではキリスト者とイスラム教徒の間に対立がある、との間違った印象を持たれたが、私たちは同じ市民として良好で礼儀正しい関係にある。表現の自由という基本的権利を享受している私たちは、信者を怒らせるための権利行使を非難する。また浅薄な自己表現をする人への脅迫も受け入れられない」と言う。
　漫画はアラブ・イスラム圏諸国の反発を招き、宗教間の関係や検閲に関する論議がデンマークでは交わされた。漫画が持ち込まれたアラブ諸国の中にはデンマーク国旗を燃したり、食品ボイコットなども出ている。
　デンマーク（総人口５４０万人）とノルウェー（同４５０万人）は共にルーテル教会が優勢だが、人口の約２％はイスラム教徒。□