【ＣＪＣ＝東京】米オハイオ州教育委員会は２月１４日、高校の生物授業の基準として一昨年に採用した「進化論を批判的に分析する科学者の動きについて理解する」という項目を削除する案を１１対４で可決した。ＩＤについて直接言及せず、進化論について批判的な分析がなされていることを生徒に理解させるにとどめた。
　米国では、チャールス・ダーウィンが唱えた進化論の代わりに、自然界は非常に複雑な側面を持つため、ある種の知的存在が関わりを持っているとするインテリジェント・デザイン（ＩＤ）」論を学校で教えるべきだ、という動きが出て対立が続いている。ＩＤに対する反対は、聖書に基づく天地創造説を踏まえたものだ、というもの。
　ペンシルベニア州連邦地裁（ジョン・ジョーンズ三世判事）が１２月２０日、「インテリジェント・デザイン」論を公立学校で教えることを禁止する、と判示したのに続く今回の動きはＩＤ論者には打撃になりそう。□