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米国の教会指導者がイラク戦争を「止められなかった」と自己批判

 【ポルトアレグレ(ブラジル)=ENI・CJC】米国の教会指導者が2月18日、世界教会協議会(WCC)第9回大会でイラク戦争を批判する公開書簡を発表、「止められなかった」と自己批判した。「私たちは、指導者に先制攻撃路線を思い止まらすため預言者的な声を上げ続けることが出来なかった」としている。
 書簡はWCC米国会議から出されたもので署名はない。同会議はWCC加盟の米国内34教派で構成されている。
 「私たちの中に意見の相違がある。各教派を代表して発言することは出来ないが、各教派から選出された責任ある指導者として発言しなければならない」とレオニード・キシュコフスキー同会議議長(正教会)は語った。「米国のキリスト者がジョージ・ブッシュ大統領と戦争を支持しているとの声が世界中で聞かれる。重大な道徳的戦いが進行しており、ほんとうは米国人の大部分がこの戦争を支持していないことを世界に知ってもらいたい」と言う。
 クリスチャン教会(デサイプル派)議長のシャロン・ワトキンス牧師は、書簡がイラク駐留米軍を危険にさらす意図はないとして「彼らは、私たちのそして隣人の息子と娘だ。その勇気と義務感を尊敬する。しかしここポルトアレグレで、この戦争により人生をめちゃめちゃにされた息子や娘の親と出会い、『とても申し訳なかった』と言わなければならない」と語った。
 「告白」の形式をとった書簡は、米政府の政策が世界中の環境悪化と貧困増加を進める、と批判している。
 合同キリスト教会のジョン・トーマス議長は「私たちが世界中のパートナーを訪問する時に見えてくるのは、米国が危険な国と思われている感じが強まっていることだ」と語った。これは「戦争の暴力だけではなく、止まらない環境破壊のためであり、また地球の貧困に直面している私たちの富」のためだ、と言う。
 ワトキンス牧師は「私たちは毎日、私たちの政府の政策から利益を得ている。受益者として、私たちはざんげしなければならない」と付け加えた。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-02-21T01:42:21+09:00