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中国カトリック教会が香港のゼン枢機卿招待か

 【CJC=東京】香港のジョセフ・ゼン・ゼキウン(陳日君)司教が新たに枢機卿に任命されたことから、中国の公認カトリック教会『中国天主教愛国会』が、バチカン市国との関係改善を図るねらいで同氏を招請する可能性がある、と香港の英字紙『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』が3月12日報じた。
 中国司教会議副議長ファン・シンギャオ司教が、中国本土の教会で新枢機卿招待が検討された、と語ったという。同司教はまた、ゼン枢機卿に政府批判を控え、本土と香港教会の連係強化を助けるよう呼びかけた。
 新枢機卿は、かねて中国の非公認教会の強力な支援者と見られており、公認教会からの任命後最初の反応として、ファン司教の発言が注目されている。
 三自愛国会のリュウ・バイニアン副議長は、1989年にポーランドで共産主義政権が崩壊したのでカトリック教会が貢献した、と指摘している。反共主義者のゼン司教を枢機卿に任命したことは、教皇ベネディクト十六世の同様な戦略だとの見方が出されていた中でファン司教の発言は異色だ。「中国とバチカン市国の国交正常化は非常に重要であり、ゼン枢機卿が問題解決へ個人的な努力が出来るよう願う」と発言したという。
 中国政府は1951年、カトリック教会にバチカン(ローマ教皇庁)との絶縁を強制、それ以後、教会は教皇を霊的指導者とは認めるものの司教、司祭の任命は独自に行うこととなった。一方、教皇への忠誠を表明する聖職者、信徒は非公認の「地下教会」(家の教会)を組織、数百万人が属すと見られるが、しばしば弾圧され、罰金を科されたり、強制労働収容所に送られている。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-03-14T01:00:03+09:00