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救援物資と一緒の聖書配布にカシミール住民が苦情

 【ニューデリー=ENI・CJC】昨年10月8日大地震被害に見舞われたインド北西部カシミール地方の教会は、伝道者4人が毛布や食糧などの救援物資と一緒に聖書が手渡で活動している、とパキスタン国境に近いウリ村の住民から苦情が出たことに困惑している。ウリは地震による被害が深刻で死者も1000人を超えている。
 警察は住民の追放要求を受け、伝道者4人に救援活動を中止、退去を求めている。
 カトリック教会が救援拠点としたバラムッラのセントジョセフ学校長のセバスチャン・カラップライル司祭はENI通信に電話で「全く困った」と述べた。住民から追放要求が出た伝道者4人がカトリック救援活動家と名乗ったことで、現地警察から4人の確認を求められているという。
 カシミール地方で活動している救援団体としてはカトリック教会と系列団体が最大グループ。現地当局から救援対象地域としてしてされた25村は全住民がイスラム教徒。
 また伝道者たちがインド聖書協会カシミール支部のスタッフと伝えられたのを受け、同協会のリチャード・カーン氏は「どうしようもない。不運なことに、私たちの名も引き合いに出された。協会はカシミールに支部を置いていない」とニューデリーの事務所から遺憾の意を伝えてきた。
 同氏は、4人が同協会製作の聖書を配っていたので、協会スタッフだと言ったのだ、と指摘する。インドでは同協会が最大で、キリスト教団体の多くが聖書を同協会から購入している。「しかし購入団体の活動にまで責任は持てない」と同氏は言う。
 事件はカシミール地区のメディアでは大きく伝えられたが、北インド教会のヴィノ・カウル牧師は、ジャンム・カシミール州の州都スリナガルで「メディアは、主流教会と小さな福音派集団とを区別しているので助かる。今回の事件で、多くのキリスト教団体が現地で行っている慈善活動の評価を下げてはいない」と語った。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-03-21T00:57:15+09:00