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バチカン公式年鑑が教皇称号から「西方の総主教」外す

 【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)の公式年鑑2006年版は、教皇ベネディクト十六世着座以来初めてのものとして2月18日に教皇に提供され、3月10日に公刊された。2006年版は教皇の称号九つの中から5番目の「西方の総主教」(patriarca dell'occidente)が除かれている。
 2006年版では、教皇の呼称(仮訳)は次の通り。
 1.ローマ司教
 2.イエス・キリストの代理者
 3.使徒ぺテロの後継者
 4.普遍教会の最高位聖職者
 5.イタリアの首座大司教
 6.ローマ管区大司教かつ首都大司教
 7.バチカン市国元首
 8.神のしもべの中のしもべ
 東ローマ皇帝テオドシウス二世から教皇レオ一世にあてた手紙(450年)に初めて用いられたという「西方の総主教」は「普遍教会の最高位聖職者」と「イタリアの首座大司教」の間に置かれていた。東方教会省の元長官アキレス・シルヴェストリーニ枢機卿は、イタリアのANSA通信に、「西方の総主教」は東方正教会との裁治上の比較のために置かれていたので、教会一致への指向を意識して除外したものと語った。
 ロシア正教会欧州連合駐在ヒラリオン・アルフィエフ代表(ウイーンとオーストリー主教)は今回の措置が教会一致への意図を示したものだとの見解に反発している。「西方の総主教」という称号を外すことが聖座(バチカン)と正教会との関係改善に役立つとは不思議で、むしろ反対に普遍教会の統治の方を強調したとも解釈出来る、と言う。□

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