【CJC=東京】アフガニスタンでイスラム教からキリスト教に改宗したアブドル・ラフマン氏(41)が起訴され、死刑宣告の可能性も指摘されている。
ラフマン氏は02年まで9年間ドイツに住み、アフガン難民を支援するキリスト教系の国際団体で働いていたという。その際に改宗したと見られ、帰国した際に改宗を宣言したことからイスラム法に基づく裁判が始まった。他宗教への改宗は死刑とされている。
この裁判に、欧米諸国から批判の声が高まっているが、アフガンの宗教指導者らは、「欧米の圧力に屈してはならない」と反発している。
バチカン(ローマ教皇庁)は3月25日、教皇ベネディクト十六世がアフガンのカルザイ大統領に「慈悲」を求める助命の書簡を送ったことを明らかにした。
米国のコンドリーザ・ライス国務長官は23日、カルザイ大統領と電話で会談し、事態の「善処」を求めた。ジョージ・ブッシュ米大統領も「深い懸念」を表明し、アフガン政府に「自由という普遍的原則に従ってほしい」と呼び掛けている。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相はインタビューで、「ハーミド・カルザイ大統領との電話で、ラフマン氏は死刑にしないとの確約を得た」と語った。
しかし、カブールのイスラム教指導者らは「ラフマン氏の精神に異常はない」「国際社会を恐れているのか」と、当局を激しく非難している。
シーア派指導者のサイド・ミルホサイン・ナスリ師は、欧米諸国に「わが国への援助には感謝するが、この問題には干渉しないでほしい」と訴えている。□