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アフガンの改宗男性が釈放されイタリアへ亡命

 【CJC=東京】イスラム教を捨てキリスト教への改宗が罪に問われて拘束され、極刑の危機に直面していたアフガニスタンの男性アブドル・ラフマン氏(41)について、検察官は「裁判に耐えられない状態」として起訴を見送った。AP通信が報じた。同氏の国籍が明確ではなく、ドイツの市民権を持つ場合はアフガンの法廷に裁判権がないことなども理由とされている。
 ラフマン氏は3月27日夜、首都カブール郊外の拘置所から釈放された。司法当局は、釈放の法的根拠について詳しく説明していないが、同氏が27日に首都カブール市内の病院で精神鑑定を受けていることから、心神耗弱などで訴訟能力を欠くとの見解に立った模様。
 同氏の逮捕・訴追に対しては、「信教の自由」などを訴える欧米諸国からの厳しい批判が相次いでいた。復興に協力する各国との関係悪化を避けたいカルザイ政権は、処刑を避ける道を模索しているとみられていた。
 ラフマン氏は29日までにアフガンを出国、イタリアに入国し、亡命を認められた。ベルルスコーニ首相は「彼はすでに我が国に着いており、内務省が面倒をみている」と語った。同氏の安全を考慮して居場所などは明らかにされていない。
 イタリアは、ラフマン氏のアフガン出国前から亡命者としての受け入れを表明しており、フィーニ外相は「宗教の自由を守るという重要性を考え、人道的義務を果たした」と述べている。
 イスラム法では信仰を捨てて改宗することは重大な背教行為とされる。釈放に反対する抗議行動も起きており、同氏をひそかに出国させたカルザイ政権に対するイスラム教保守派の反発も予想される。
 ラフマン氏は約16年前に改宗、居住していたドイツから約1カ月前に帰国した際に、改宗を知った家族の通報で拘束された。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-04-05T23:42:58+09:00