【CJC=東京】米ジョージア州議会で、公立高校の「文芸」の時間に「聖書」を教科書として使用することを認める法案が3月27日可決された。州レベルでは全米で初めて。「旧約聖書時代の歴史と文芸」と「新約聖書時代の歴史と文芸」の選択2クラスを設けるというもの。
同法案を5年がかりで推進して来たトミー・ウィリアムス州上院議員は「聖書は西洋文化の柱。学校で教えられるべきだ」と言う。
州上院のメリ・ブラントリー広報担当は「日曜学校ではないので、キリスト者であるか否かを問わず、文学や芸術の視点で授業する」と語っている。
ただワシントンに本拠を置く『政教分離を目指すアメリカ人連合』のロブ・ボストン報道担当は「学校で宗教的礼拝を行うための口実にはならない」と指摘するなど、公教育に聖書を持ち込む動きに反対する市民グループは「授業が宗教と無関係でいられるか。聖書の内容を真実として教えかねない」と疑問視している。
現在、同様の課程が37州であるものの、聖書を教科書として使用するのはジョージア州が初めてで、アラバマ州とミズーリ州でも同様の動きがある。
ジョージア州では選択科目として比較宗教を設定したものの、昨年は40万人の生徒の内僅か800人が受けただけだった。
米連邦最高裁は、公立校での聖書の扱いを「客観的」であれば合憲と判断している。□