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バチカンとの国交交渉、中国政府が初めて認める

 【CJC=東京】4月3日付け北京の英字紙『チャイナ・デイリー』によると、中国国務院宗教事務局の葉小文局長は同紙に、バチカン(ローマ教皇庁)と国交樹立に向けた交渉を行っていることを認めた。中国政府の幹部が交渉を認めたのは初めて。
 中国とバチカンは1951年に国交を断絶。中国政府は宗教団体に外国が与える影響を排除することを目標に「自治、自養、自伝」の三自原則を要求、『中国天主教(カトリック)愛国会』などを公認した。教皇に忠誠をつくす聖職者、信徒たちは公認組織とは別に「地下教会」を結成、活動を続けたが、今日に至るまで抑圧の対象とされている。
 バチカン市国は欧州で唯一、中華民国(台湾)と外交関係を維持している。中国は教皇による司教任命を内政干渉としており、台湾との断交と任命権問題が国交樹立の障害となっていた。
 教皇ベネディクト十六世は就任直後、「近いうちに中国を訪問したい」と表明していた。またバチカン国務省外務局長のジョバンニ・ラジョーロ大司教は3月25日、香港テレビ局と英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』とのインタビューで、「両国が外交関係を樹立するための交渉の機は熟した」と語った。
 葉局長は「バチカンが台湾と断交すること、中国の内政に干渉しない」の2原則を改めて強調したが、「話し合う余地は残っている」と述べ、今後については「日程表を作るのは難しい」として明言は避けた。バチカンからは、大使館を台北から北京に移す用意もある、との発言も伝えられ、司教任命についても教皇の任命権を認めつつ中国政府の介入の余地を残すことで妥協が図られる可能性がある。

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-04-13T22:33:47+09:00