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カナダの修道士、修道女がカトリック教義に「挑戦」

 【バンクーバー(カナダ)=ENI・CJC】カトリックの修道士、修道女2万2000人が結成する組織が、離婚、避妊、同性愛などを含む問題で教義に挑戦している。
 「私たちの教会が教義や伝統的倫理について人々の探求や意味付けに耳を傾けるよりも、その再確認を優先していることは遺憾だ」と『カナダ宗教会議』(CRC)が、今年後半にバチカン(ローマ教皇庁)訪問を予定している司教団に宛てた書簡で指摘した。
 文書は「カトリック教会一般と、私たちのカナダの教会について律法主義のイメージがあり、性倫理に関する硬直さとその非妥協的な姿勢」を遺憾だとしている。
 また離婚したり再婚しているカトリック者が秘跡に預かること関しても閉鎖的で、その人たちへの同情が不足しており、同性愛者を歓迎しない態度も遺憾だという。
 倫理とバイオエシックスに関しては、進歩と発展の余地をほとんど残さない思考を維持していることに危惧を抱いている。
 CRCは、200以上の修道会などが加盟しており、「ヨーロッパからの人々が到着する前にカナダに住んでいた」先住民社会の妻帯者、女性、年長者の叙階を考慮するよう司教団に要請している。
 カナダ教会の首座司教マーク・ウェレット枢機卿は、これらの要請をバチカン(ローマ教皇庁)に示す意向だ、と『モントリオール・ガゼット』紙は3月29日報じた。ただ、枢機卿はカナダ教会がカトリックの教えから決して離れない、と強調している。
 文書の公表は、教皇ベネディクト十六世が2008年にケベック市で行われる国際会議に出席するため、カナダへ初訪問をする可能性がある、との報道に時を合わせた形になった。
 CRCのアラン・アンボルト会長は「私たちは、このメッセージがカナダ宗教界指導層だけでなく、この国の修道士、修道女の大多数の考えを反映しているという堅い信念がある」とメンバーに書き送っている。
 2001年の国勢調査によると、総人口の43・2%、1280万人がカトリック。

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-04-18T00:50:25+09:00