【CJC=東京】教皇ピオ十二世を誘拐する計画をナチス指導者アドルフ・ヒットラーが立てていたのを察知した教皇は、拘束されたら辞任が発効する書簡を準備していた。ドイツで出版される第二次大戦前後の教皇を題材とした新著で明らかになった。
著者のウエルナー・カルテフライテル氏とハンス・ペーター・オシュワルド氏の新著はドイツ紙『ビルト』に紹介されたが、それによると教皇は辞表に署名し、拘束された場合は枢機卿の地位に戻ると定めていたという。
教皇列福の調査を担当しているペーター・グンペル神父(イエズス会)は、教皇が辞任の意図があったことを確認している。署名した辞表の存在については議論があるが、少なくとも「口頭の合意」はあったと同神父は見ている。