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“無神論者”宇宙飛行士ガガーリンは教会を支持、と同僚語る

 【ワルシャワ=ENI・CJC】(ジョナサン・ラクスムーア記)世界で初めて宇宙飛行に成功したソ連の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンは、無神論者とされていたが、モスクワの破壊された救世主キリスト教会再建を公的に提唱したことを友人が明らかにした。
 「他のロシア人のように、ガガーリンも洗礼を受けていた。そして、私が知っている限り、彼は信者だった」と語るのはガガーリン空軍士官学校のワレンティン・ペトロフ大佐(准教授)。再建を訴えたガガーリンの動機は非常に単純で、「人が自分のルーツを知らなくては愛国心は強まらない」ということだった。
 4月12日のインターファクス通信とのインタビューで、ペトロフ大佐は、ガガーリンが死去する4年前、1964年の30歳の誕生日にモスクワの聖セルギウスローラ修道院と教会考古博物館を訪問した際に、キリスト教へのガガーリンの関心に気づいたと語った。
 「私たちが救世主キリスト教会の模型の所に来た時、ガガーリンはそれをのぞき込んで『ワレンティン、破壊されたものがこんなに素敵なものなのだよ』と言って、長い間それを見続けていた」と言う。「それからしばらくして、共産党中央委員会の青少年教育問題の討議の際にガガーリンは、救世主キリスト教会を軍事的栄光と傑出した東方正教会活動の記念碑として修復されるべきだと公然と示唆した」と大佐は語った。
 教会は1812年にロシア軍がナポレオン軍を撃破した記念として1883年献堂されたが1931年、当時の指導者ヨセフ・スターリンの指示で爆破された。
 ガガーリンは1961年4月12日、ボストーク3KA−2宇宙船に搭乗、宇宙空間に達した最初の人類となった。地球の軌道を出た後に「ここでは神は見えない」と述べた、と広く伝えられた。しかしペトロフ大佐は、この言葉がガガーリンのものではなく、当時の指導者ニキタ・フルシチョフによって反宗教宣伝のため共産党の会議の際に発せられたのだ、と語った。それなのにガガーリンの発言とされたのは、彼の人気のためだったのかも知れない。ガガーリンはそうは言っておらず、ただソ連共産党を「私たちのすべての勝利の組織者」として称賛し、そして有名人になったと言う。
 ガガーリンは1968年3月27日、操縦していたミグ15型戦闘機が墜落、死去した。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-04-25T01:51:23+09:00