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欧州連合指導者が「寛容」推進へ宗教指導者と会談

 【ジュネーブ=ENI・CJC】キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の代表が、チベット仏教の精神的指導者ダライ・ラマと共に、互いの敬意と寛容を促進することに関し、欧州連合指導者とブリュッセルで5月30日会談した。
 「私たちは共に欧州というビジョンを発展させなければならない。それはただ経済競争力に基づくものではなく、人間としての尊厳、連帯感、正義などのビジョンであり、それも欧州だけではなく、全世界のためのものだ」と、欧州教会会議のジャン=アルノルド・ドクレルモン議長は語った。
 欧州教会会議は、プロテスタント、英国国教会(聖公会)、正教会の125教会が加盟。事務所はジュネーブ、ブリュッセル、ストラスブールにある。
 5月30日の会合は、欧州委員会のホセ・マヌエル・バロッソ委員長とオーストリアのヴォルフガング・シュッセル首相が招集した。
 欧州委員会は、会合が仏教、イスラム教、ユダヤ教、正教会、プロテスタント、カトリック代表が出席し、自由、民主主義、人権尊重という「普遍的な価値」に焦点を合わせることだった、としている。「これらの価値を完全に実践することは、他の倫理的基準尊重によって強化される。それは他者の感情への配慮といった、欧州社会の基礎にあるものでもある」と、バロッソ委員長は招待に際し指摘した。
 今年初め、イスラム教の開祖ムハンマドを風刺するイラストがデンマークなどのメディアに掲載されたことから、宗教感情と表現の自由の権利をめぐって論争が巻き起こった。
 「基本的人権の実践と他者の感情の認識との間に緊張が強まるにつれ、互いの敬意という概念が果たす機能を検討する価値がある」と、バロッソ委員長は言う。
 ブリュッセル集会が欧州委員会と宗教指導者との「開かれた、透明で定期的な対話」としては2回目のもの。

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-06-15T03:43:06+09:00