【ＣＪＣ＝東京】イングランド地方の守護聖人といえば、ドラゴン退治の伝説で知られる聖ジョージだが、聖ジョージは好戦的でイスラム教徒の心情を害する恐れがあり、実在したかも疑わしいので、ローマ帝国時代のイングランドで殉教した聖オーバンをイングランド第二の聖人にする案がウエストミンスターの英国国教会聖マシュー教会のフィリップ・チェスター牧師が提案した。
　サンデー・タイムズ紙に同牧師は、人々に根強い人気のある聖ジョージを守護聖人から外すのではなく、聖オーバンも守護聖人に加えるのだ、と語った。カンタベリー大主教ローワン・ウィリアムズ氏も、聖オーバンを新たなイングランドの聖人とすることに賛成しているという。いずれにせよこの提案は、英国国教会の最高機関である総会で検討されなければならない。
　聖ジョージがイングランドの英雄となったのは、イスラム教徒から聖地エルサレムを解放するため、十字軍が結成された頃であるとされている。
　聖オーバンを守護聖人にしようという動きは７年前にもセント・オーバンズ地区議員（ディストゥリクト・カンシラー）メルヴィン・テア氏が提唱している。同氏は、聖オーバンを大ブリテン島全体の守護聖人にすることも論議すべきだ、と言う。その場合には聖ジョージはそのままイングランドの守護聖人であり続けることになる。