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モスクワ宗教サミットで指導者はテロを糾弾

 【モスクワ=ENI・CJC】(ソフィア・キシュコフスキー記)宗教指導者の世界サミットがロシアで開催されるのは東西冷戦終結後初めて。7月3日から5日までモスクワで行われた会議は、テロ、経済的不平等、環境破壊、現代世界の倫理的価値否定を非難する声明を採択して閉幕した。
 「宗教で正当化する試みを含め、いかなる形でもテロと過激主義を非難する。疑似宗教団体の活動や人々の自由と健康、さらには社会に存在する倫理状況を破壊する動きは遺憾だ」との声明は、正式投票は行われなかったものの、最終日の本会議では反対の声は出なかった。
 声明は7月15日までから17日までロシア第二の都市サンクトペテルスブルクで行われる主要国会議(G8)に参加する首脳に宛てたもの。ロシアは今回の主要国会議の主催国。ウラジミル・プーチン大統領は宗教サミットの参加者に向け3日、声明を世界の先進国指導者たちに提起する、と約した。
 宗教サミットには、49国の宗教界から約300人が出席した、とロシア正教会渉外部門の責任者カリーニングラードとスモレンスクのキリル府主教が閉幕後の記者会見で語った。
 ロシア正教会は、アレクシイ二世総主教とロシア宗教間評議会の主導の下にサミットを実施した。同評議会は正教会、イスラム教、ユダヤ教、仏教の対話組織。
 ドイツ福音教会のウォルフガング・ヒューバー監督は、他国でも宗教間協力のモデルとしてロシア評議会の働きを研究するべきだ、と指摘した。
 正義と平和促進に際しての宗教の役割について、欧州教会会議のコリン・ウィリアムズ総幹事は「人間問題に宗教過激主義の与える影響がマイナスの方向で大ニュースになることが多すぎる。むしろ教会などの宗教団体が正義、自由、平等の価値を生み出すことを国家、地方、そして国際的な意志決定の場で促進するために働いて来た根気強い方法に注目すべきだ」と言う。
 最後にモスクワで行われた宗教指導者の会議はほぼ四半世紀前のこと。それが冷戦下に反核平和運動の中で行われたことが、繰り返し指摘された。
 バチカン(ローマ教皇庁)はキリスト教一致推進評議会議長のヴァルター・カスパー枢機卿を団長とする大代表団を送り込み、モスクワ総主教座とカトリック教会との融和を印象づけた。キリル府主教は、教皇ベネディクト十六世がサンピエトロ広場で行ない、ロシア国営テレビでも放映された、会議支持の発言を歓迎の意を込めて紹介した。

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-07-11T02:47:03+09:00