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最初の「アフリカ聖書注解」、ナイロビで刊行

 【ナイロビ=ENI・CJC】(フレドリック・ヌズィリ記)アフリカ人神学者による初の聖書注解(ABC)が7月5日、ケニアの首都ナイロビで刊行された。ダニエル・アラップ・モイ元大統領の支援を受けてのもの。発刊記念式でモイ氏は「主がこの注解によって読者を神に近づけ、アフリカ始め世界中の教会の霊的覚醒に火を点けてくれることが私の望みだ」と語った。
 モイ氏は福音派のキリスト者。今回の注解はアフリカのキリスト教の重要な業績であり優れた象徴だと指摘、病気、不正、暴力、闘争に苦しむアフリカという認識を打ち消し、この大陸の魅惑と特質を強調するものとなろう、と語った。「最も速い教会成長率と無限の可能性がある、霊的な躍動力と熱意、豊富な鉱物とエネルギー資源を持つ大陸だ」と、モイ氏は言う。
 1600ページの注解書は、25国70人が協力して5年がかりの研究の成果。直接編集には前アフリカ福音派協議会代表幹事で現在は「聖書的変革センター」責任者のトクンボ・アデイェモ氏が当たった。聖書の見地からHIV=エイズ、女性の性器切除、難民、民族紛争、魔法といったアフリカの現代の課題を取り上げている。
 執筆者は、聖書に置き換える意図だと批判されるのを避けるため、注解は聖書の詳細な説明であり、アフリカ人学者の目を通してのものであることを強調している。「これはアフリカのキリスト者に聖書を解き明かす注解だ」と、アデイェモ氏は記者会見で述べた。サンデー・ネーション紙7月2日付けのインタビューでは、教会の高度成長にもかかわらず、「栄養不良の子どもの苦しみ」のようなのがアフリカの教会の現状だ、と指摘している。子どもの膨れた腹部は信者の多さを表し、広範囲にわたる不健康状態は、アフリカのキリスト教の影響不足に対応しているというのだ。
 「それ以外にアフリカ大陸における多くの不義を説明するものはない。アフリカの多くの苦難にもかかわらず、キリストを告白し、キリスト者であることに応答する人たちがいる」とアデイェモ氏は問いかける。
 聖書がアフリカ中の町や村でアフリカ人の信者に語り掛けるものとなるように、とことわざ、比喩、物語を取り入れられている。
 今回は英語版だが、仏語、スワヒリ語、アムハラ語、ポルトガル語、ヨルバ語、アフリカーンス語、ズールー語版も計画されている。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-07-17T22:08:58+09:00