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中国の神学教育の現況を北京週報が紹介

 【CJC=東京】中国共産党系の週刊誌「北京週報」7月9日号(日本語電子版)がキリスト教(プロテスタント)神学教育の現状を特集した。
 北京北部の清河鎮にある燕京神学院は北京のキリスト教史上最も重要な役割を果たしている。「現在の学習環境は、改革・開放初期に再開された時に比べると雲泥の差がある」と副院長の齊鉄英牧師。
 同神学院は1983年、北京神学院として創設。募集人数は7人だった。齊牧師はその1人。「当時は固定した教室もなく、黒板を持って授業する場所を探したものでした」。幸い、北京崇文門教会が地下室を教室として、1階を宿舎として提供してくれた。
 次いで、天津神学院が84年に天津キリスト教会によって創設された。86年6月、北京と天津、河北、山西、内蒙古、陝西、甘粛、寧夏、青海、新疆の10省・自治区・直轄市のキリスト教三自愛国運動委員会が、北京神学院と天津神学院を合体して燕京神学院を創設した。
 在校生87人はいずれも10省・自治区・直轄市の出身。ほとんどは家庭が貧しい農村部出身のため、学費が最大の重荷となっている。昨年から、すべての学生の学費を免除し、1日あたり5元(1元は約14・5円)の食費だけを取ることにした。5元というのは北京の平均飲食水準よりずっと低い。
 学院の資金は主に10省・自治区・直轄市の教会からの寄付によっている。毎年40万〜50万元。多い時で70万元に上る。また、これまで政府から毎年約10万元の援助を受けていたが、昨年から宗教団体への政府資金援助が増大され、75万元にアップした。このほかにも海外や民間からの寄付があり、主に施設や設備に充てている。
 齊牧師は教職員の不足を痛感している。教鞭が取れるのはは5、6人。海外で学んだ教師もいる。半数以上が唯一の全国的な神学校である南京金陵協和神学院の卒業生。
 神学生は年間20数人しか育成できない。10省・自治区・直轄市にはそれぞれ平均30の教会があり、燕京神学院が各地に毎年1人ずつ配置しようとすれば300人が必要だ。神学教育が再開されて以来養成したのは500人に過ぎない。現在、牧師の数は全国でわずか数千人。1700万に上る教徒の数を考えれば、大きな開きがある。
 同学院は宗教以外にも、英語や国語、哲学、中国史、世界史、書道なども教えている。ここ数年には宗教建築、経済、コンピューターなどの科目を設置している。
 海外の神学校との交流では現在、米テキサス州ダラスとロサンゼルスの神学校2校と緊密な関係を結んでいる。なかでもダラス神学校との交流が頻繁だ。昨年、齊牧師は代表団を率いて同神学校を訪問。今年後半には同校の訪中団を迎える。また5月31日には米ピッツバーグ神学校の訪中団を受け入れた。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-07-17T22:11:23+09:00