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中東情勢に教皇が対話と平和を呼びかけるメッセージ

 【CJC=東京】教皇ベネディクト十六世は7月16日、滞在先ヴァレ・ダオスタのレ・コンブの山荘で日曜正午の祈りの際、中東情勢に対話と平和を呼びかけるメッセージを出し、聖地の状況、特にレバノンでの戦争行為拡大と市民多数の犠牲に憂慮を表明した。
 バチカン放送(日本語電子版)によると、レバノンからほど近い、カルメル山がそびえるイスラエルのハイファも攻撃を受けたことに言及して教皇は、責任を負う政治家たちを正しい道に立ち返らせ、対話と合意の新しい可能性を開きつつ、調和という基本的な恵みを神からいただくことができるよう祈った。また世界中のすべての信者たちに、7月23日を中東平和のための祈りと悔い改めの日とするよう呼びかけた。
 中東の闘争地域の教会関係者は、教皇の呼びかけを歓迎している。ギリシャ・メルキト典礼アンティオキア総大司教グレゴリオス三世ラハームは、教皇の中東の平和を願うたびたびの発言と今回の全信者への祈りの呼びかけに感謝を表明した。
 マロン典礼ビブロス大司教ベカラ・ライ師もバチカン放送を通じ、教皇のアピールと皆の一致した祈りに対するレバノンの信者たちの感謝を伝えた。
 同大司教によれば、現在レバノンで居住地を離れ難民状態にある人々の数はおよそ50万人で、人道支援団体らと共に小教区などを中心にカトリック教会も懸命に援助を行なっているものの、国際的組織の力がどうしても必要な状態にある。
 レバノンで小教区の主任司祭を務めるジャン・アザーム神父は、バチカン放送の電話インタビューに、「ベイルートのカリタスがここ数日食糧・医療品の配布を始め、可能な限り必要とされる場所に救援を送っている。今レバノンは憎悪と戦争のもとにあるが、こうした中で共に生き、互いを兄弟として助け合うことを通して、キリスト教徒もイスラム教徒も皆深い精神的体験をしているという意味において希望はある」と答えた。

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-07-25T02:50:24+09:00