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スリランカ主教が英査証の指紋押捺義務に反発

 【コロンボ=ENI・CJC】スリランカ聖公会のデュリープ・デチッケラ主教は、世界聖公会共同体の本拠である英国への旅行を断念する、と語った。英当局がスリランカからの入国者に課している指紋押捺義務を撤廃するか、全ての国の市民に適用するまで、と言う。
 「これはスリランカ市民に対する差別であり侮辱だ」と、同主教はスリランカやアフリカ諸国市民のビザ申請に際して英国が課している指紋押捺への反対運動を進めることを明らかにした。
 「私たちの母教会は英国にあり、この決定が私たちに負担を強いることは分かっている。しかし私の良心が、押捺要求に応じることを許さない」と言う。
 英国は指紋押捺を2003年に試行、04年スリランカ市民の申請に際し義務化した。ジブチ、エリトリア(エチオピア)、タンザニア、ウガンダからのビザ申請にも適用する、と発表されている。
 デチッケラ主教は、英国務省やスリランカ駐在の英高等弁務官へ「全面的に適用するならともかく、国の選別を止めることを要求する。英国はスリランカなど数カ国を選別している。これは容認できない」という趣旨の抗議書簡を送った。
 抗議書簡で、チッケラ主教は、指紋押捺義務が「私たちすべてか大部分」をテロリスト、亡命者、経済難民だと推定していることであり、スリランカ市民には屈辱だ、と指摘している。
 スリランカでは内戦で6万5000人が殺され、総人口2000万のうち200万人近くが難民化している。

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-08-07T22:32:52+09:00