【CJC=東京】米カトリックCNS通信によると、カルデア典礼カトリック教会バグダッド教区のアンドレオス・アボウナ補佐司教は8月1日、2003年の米国主導による進攻以来、イラク人キリスト者の半数が国外へ脱出していると語った。
イスラム教シーア派が圧倒的に優勢なイラクだが、米軍進攻以前には、キリスト者が約120万人いた。それが現在では60万人と推定される。脱出はなお続いており、「これはイラクの教会にとって危機的なことだ」という。
宗派間の抗争が日常的な首都バグダッドでは、キリスト者の脱出は75%にも及んでいる。
カルデア典礼教会は、キリスト教各派の中では大多数を占めているが、進攻以来、80万人から50万人にまで減少している。
脱出者の多くがシリア、ヨルダン、トルコなどの隣国で居住している。同司教は、脱出した人々の多くはまず戻って来ない、と見ている。
イラク国内に留まるキリスト者の多くは貧困、高齢、病気などで脱出しようにも出来ないのだ、と言う。□