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北京週報が特集=新たな変革に直面するカトリック教会

 【CJC=東京】中国共産党系の週刊誌『北京週報』(日本語電子版)の7月31日〜8月6日号が、「新たな変革に直面するカトリック教会」という「重要文章」を掲載した。
 4月20日をはさんだ1カ月間に、中国天主(カトリック)教会は司教3人と助祭1人を任命したが、2人の司教は教皇から承認されなかった。安徽省合肥の劉新紅司教(42)はその1人。3人の司教と1人の助祭はいずれも45歳以下。劉司教と蘇州教区の徐宏根司教、昆明教区の馬英林司教は上海の神学校の学友だ。
 5月3日、劉神父は同省蕪湖市の教会で1000人余りの信者と来賓が注視する中、司教に任命される式典に臨んだ。劉神父にとって、この儀式は、安徽省の数十人の聖職者と5万人の信者を指導し、カトリックをより発揚させる重要な責任を担うことを意味するものであったが、中国の教会は教皇の権威を軽視しており、この式典は中国とバチカン(ローマ教皇庁)との関係改善や国交回復を損なうものだ、と国際世論の非難を浴びた。
 ただ劉司教は「カトリック教徒として私は、教会はこの上なく唯一であり、この上なく神聖であり、この上なく公平であり、宗徒が伝承してきた神聖にして公平な教会と、教皇は私たちの最高の指導者であると信じる」と語った。
 劉司教は安徽教区に勤めてすでに16年。90年に上海の神学校を卒業後、蚌埠教区(2001年の統合以前、安徽省には蚌埠、安慶、蕪湖の3教区があった)の神父となった。教皇の承認を得ずに叙階式を行ったことについて、劉司教は「教皇の任命を得られなくとも、しっかりと布教に務め、成績を上げることができれば、神はやはり私を加護してくれるだろう。逆に、教皇の任命があったとしても、布教に務められなければ、信者に認められず、神父と修道女も同じように私を見捨てるだろう」と語った。
 中国の教会は教皇の権威を認めていないとされていることについて劉司教は「滑稽な話」と指摘している。神父と修道女とともに、ヨハネ・パウロ二世の葬礼とベネディクト十六世の戴冠式の様子をテレビで観たという。
 劉司教は「全世界の司教は5年に1回、報告のためにバチカンを訪れています。ですが、中国はバチカンとは国交を樹立していませんので、これまで公式の形でバチカンに行ったことのある中国人司教は1人もいません」と説明した。もし教皇に謁見できるチャンスがあれば、何を語りたいか、との質問には「至聖の聖なる父よ、中国の教徒、そして安徽省の教徒に、いま少し御心をお寄せいただけないか」と答えた。
 劉司教は「3教区合同当時、神父の数は少なく、安徽省全体で20人もいなかった。3教区が個別に活動していれば、儀式に質的に影響が出るのは間違いなかった。当時、高齢の朱化宇司教は入院中で、正常な活動ができない状態だったので、私が朱司教の助手として、教区の活動を取り仕切ることになった」と言う。
 天主(カトリック)教愛国会と中国天主教司教団のデータによると、97教区のうち、40教区で司教が不在、しかも現司教の半数以上が80歳以上。5月6日、国家宗教事務局の報道官は談話を発表し、布教事業を発展させるために、自主選挙による司教の選出を今後も継続していくとの考えを示した。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-08-16T01:01:50+09:00