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米週刊誌がビリー・グラハム氏特集、万人救済論がらみで批判も

 【CJC=東京】米週刊誌「ニューズウィーク」8月14日号が著名な大衆伝道者ビリー・グラハム氏の生涯を特集した。長い伝道生活の中で、公民権運動指導者マーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師との交流や、他宗教との出会いが触れられ、彼の信仰が成熟するにつれ、歴代大統領の助言役まで務めた政治問題への関心が後退し、ルース夫人と共に聖書を読み、神に思いを集中している近況が描かれている。
 ユダヤ人、イスラム教徒、仏教徒、ヒンズー教徒なども天国に行けるのか、との記者の問いにグラハム氏は「それは神だけが決めることだ。誰が天国に行け、誰が行けないか推測することは愚かではないか」と答えたのだが、これが福音派の中から万人救済論ではないか、と批判の声が出てきたことをEP通信が報じている。
 福音派のコラムニストでトークショーの司会者でもあるイングリッド・シュルーターさんは、グラハム氏の答えがキリスト教の教えから逸脱しており問題だ、と言う。彼女は、「ニューズウィーク」の質問に答えるのに推測など必要でなかったとして「どうして推測するのか。全能の神を知っているなら、権威を持って答えを宣言出来るではないか。グラハム氏は万人救済論者になったのか」と言う。
 ただグラハム氏は1997年にロバート・シュラー牧師の「力の時」番組に登場した時から、「万人救済論者」だとしばしば告発されている。
 シュラー氏がキリスト教の将来について質問すると、グラハム氏は「私は、キリストを愛し、またはキリストを知っている人は皆、そのことに気づいているか否かに関わらずキリストの体のメンバーだ。イエスという名前を知ってさえいないかもしれないが、彼らは心で、自らは持ち合わせていない何かを必要としていることを知っており、自らが持っている光に頼りたのむ。だから渡しは彼らが救われて私たちと共に天国に行くと思う」と答えている。
 グラハム氏の報道担当ラリー・ロス氏は、論議が大げさだとして「60年以上にわたり伝道者として、グラハム氏は、イエスだけが天国への道だという聖書の福音メッセージを忠実に宣べて来た。しかし救済は全能の神の業であり、一人一人の人間の心は神だけが知っているのだ」と語った。
 万人救済論は神が、信仰にかかわらず、偉大な恩寵と慈愛によって結局全てを救うと言う主義とされ、キリスト教会では否定されてきた歴史がある。□

KIRISUTO.INFOホーム教界ニュースホーム Last Update : 2006-08-16T01:03:54+09:00